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日本の駅舎 残しておきたい駅舎建築100選

『残しておきたい駅舎建築100選』は1994年にJTBより刊行された『日本の駅舎』で著者の杉﨑行康によって選ばれた100の駅です。選ばれた基準は「駅舎建築がマスプロ化する昭和二十年代以前に建てられたもの」「残しておかないと絶対損するもの」という二点です。

Qurren / CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0)

発行の1994年当時で既に「昭和二十年代」から少なくとも40年が経過しており、写真で見るだけでも存続が危ぶまれるレベルのくたびれた駅舎も多く見られます。経年劣化に伴う建て替え、新たな耐震・防災基準に適合するためなど理由は様々ですが、当時の姿をとどめているのは100駅のうち半数ほどです(2020年現在)。

建て替えだけではなく、災害で失われた駅舎もあります。JR九州・日田彦山線の香春駅(福岡県田川郡香春町)は1995年に火事のために全焼。阪急電鉄神戸本線の三宮駅(兵庫県神戸市)は阪神淡路大震災によって受けた損傷のため解体。香春駅と同じ路線の大行司駅(福岡県朝倉郡東峰村)は2017年7月に襲った九州北部豪雨による土砂崩れで倒壊、建て直しを余儀なくされました。

最近では改築の際にも利用者・住民に親しまれた姿をできるだけとどめたまま改築を行う例も見受けられます。しかし高架化や橋上駅舎化などでは伝統的な意味での独立した駅舎の建物自体がなくなってしまうケースも多々あります。

そのような流れの中で歴史的・文化財的な価値を認められた駅舎もあります。京成電鉄京成本線の博物館動物園駅(東京都、台東区)は1997年に休止後、2018年には東京都選定歴史的建造物に選定、近鉄山田線の宇治山田駅(三重県、伊勢市)は2001年に国の登録有形文化財に登録されました。

これら以外にも建て替えの際に住民グループの働きかけなどで旧駅舎を行政や企業が保存・再利用するケースもあります。有名なところでは曳家によって元の位置から18メートル移動され、観光案内所として利用されている奈良駅があります。これは理想的な例で、普通に奈良駅を利用する際に旧駅舎を鑑賞することが可能です。

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